労働時間削減で生活を充実化する

ワークライフバランスという言葉をよく耳にするが、定義をきちんと言える人はどのぐらいいるだろうか。ワークライフバランスとは、仕事(労働時間)と生活(労働以外の生活時間)の調和がとれた状態のことで、どちらか片方を犠牲にすることではない。生活を充実させるために仕事を充実させる、仕事を充実させるためにプライベートを充実させるということだ。両者を充実させることで相乗効果を図るものである。

実際に「働き方改革」が叫ばれるようになり、看護師の働き方の多様化に対応する医療施設が増えてきている。その一つが短時間勤務制度だ。業務の効率化により、労働時間が短縮されつつある。しかし、プライベートが充実していなければ、仕事から離れてもやることがなく、職場に長時間いることになる。結局、残業は減らず、労働時間の短縮にはつながらない。

これまで長時間労働に慣れた人がいきなり短時間労働になったときに、自分自身でその変化に対応できない場合がある。それを防ぐためには、仕事以外の趣味、役割、地域での活動など、自分で興味が持てる物事を開拓していないとならない。自分の趣味ややりたいことが明確で、プライベートが充実している人ほど、生活にメリハリができ、労働時間をより短縮できることになる。さらに、労働時間が短縮できれば、プライベートももっと豊かになるというわけだ。

ワークライフバランスの実現のために、労働時間削減は必須である。そのうえで、仕事もプライベートも充実させるためのあり方、自分自身の生き方をしっかりと考え直すことが大切だと言える。